災害
先日の台風10号は過去に例のない規模で日本に近づいてきました。
今後地球温暖化に伴い大きな台風が増えるといわれています。
それでも今回の台風で被害が少なかったのは事前に準備や避難ができたからでしょう。
忘れてはいけないもう一つの大きな災害をもたらす地震に関してはそれができません。
いつ来るかわからない地震に対しての準備も必要です。
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「地震を防ぐことは誰にもできません。
でも、被害を防ぐ努力は誰にでもできます。」
先日、「国土交通大臣登録 木造耐震診断資格者講習」及び「木造住宅の耐震改修技術者講習会」という講習会に参加してきた時に講師の方が話した言葉です。
家をどこまで強くすれば大丈夫なのかというのは非常に難しい問いです。家屋の性能が同じでも、地震の規模や地盤によって変わるわけですから。
車に置き換えて考えてみてください。スピード、路面状況、ハンドル操作によって車に対する負担は変わります。たとえば雨の高速道路で急ハンドルを切ったら簡単にクラッシュします、どんな高性能の車でも。
ただ、それでも事故や故障が起きると、起きないとの間にはすごくたくさんの様々な要因があって、その中であらかじめ点検しておけばとか、交換しておけば防げたのに。なんてこともあろうかと思います。エンジンオイルの劣化やタイヤ、ブレーキパッドの摩耗などなど。
耐震診断、補強もそういうことだと思います。もちろん防げない場合もありますが、防げる場合もあるはずです。(どうしてもこんな言い方になってしまいます。すみません。)
車には車検制度がありますから古い車を点検なしでそのまま乗っていることはないと思います。家屋にはその制度がありません。
3種類の診断方法があります。まずは名称の通り自分でできる診断方法をご案内いたしますので、一度試してみてください。(その他は一般診断、精密診断となります。)
どの点数でも結果が専門家に診てもらいましょう。となっているところがミソですが。
トミタカ 溝部
自分で出来る簡単な耐震チェック!
1. 建築確認書を受けた年(建築された年)
• 1981年6月以降 1点
• 1981年6月まで 0点
• 良くわからない 0点
(1981年、2000年に、建築基準法の大きな改正が行われています。建築確認を受けた年又は、建設された年が耐震性をはかる一定の目安になりますね 1995年の阪神淡路大震災において、1981年以降に建てられた建物被害が少なかったことが報告されています)
2. 今までに大きな災害に見舞われたことがありますか?
• 過去に大きな災害にあっていない 1点
• 大地震・浸水・火事・車の突入事故など、大きな災害に遭遇している 0点
• 良くわからない 0点
(地震や浸水、火事など、過去に災害に見舞われている住宅は、見えない部分にそのダメージを蓄えている可能性があります。外見ではわかりませんので専門家の見てもらったほうが良いですね)
3. 建物の地盤(土地の状態です)
• 地盤調査済みで、地盤が良好または対策されている 1点
• 調査していない 0点
• 良くわからない 0点
(建物がどんなにしっかりしていても、それを支える地盤がしっかりしていなければ意味がありません。地盤調査が行われ、必 要な場合はしかるべき対策が施されていることが重要です。今回の改正で必ず地盤調査が必要となりました。以下に地耐力が大切なことか良くわかりますね。)
4.基礎
• 鉄筋コンクリート造 1点
• 無筋コンクリート造 石積ブロック積などその他の基礎 0点
• 良くわからない 0点
(鉄筋コンクリート造の布基礎・ベタ基礎など以外の場合、耐震性に関する調査や診断を専門職の方に調査していただいたほうが安心です)
5.屋根の重さは?
• 比較的軽い建材を使用している(スレート・金属板葺きなど) 1点
• 重い建材を使用している(瓦屋根など) 0点
• 良くわからない 0点
(瓦は優れた屋根材ですが、やはり重たいので採用するには、それに応じた耐力が必要です。耐力の大きさは耐力壁の多さに比例しますので専門家に相談ください。)
6.建物が増築されているかどうか?
• 増築されていない・又は建築確認などの必要な手続きをとって増築した 1点
• 必要な手続きをしないで増築・違法建築と言われた増築時、柱や壁を補強しないで撤去した 0点
• 良くわからない 0点
(増築されました時の、既存部分の補強や補修や改修そして増築部の接合などしっかり施工されているかが大切です。)
7. 傷み具合や補修・改修について
• 痛んでいる所は無い・又は痛んでいる所はその都度補修している。健全である 1点
• 老朽化している、腐ったり シロアリ被害クラックが出来ているなど 0点
• 良くわからない 0点
(建物全体を見渡して、判断してください。屋根が波打っている、柱や床が傾いている、建具の建て付けが悪くなったなど、老朽 化と判断します。土台をドライバーなどで突いてみてガサガサとなっていれば、腐っている、シロアリの被害にあっている可能性があります。専門家の方に調査 していただきましょう)
8. 建物の平面はどのような形ですか?
• どちらかと言うと長方形または正方形に近い平面 1点
• どちらかと言うとL字T字などの複雑な平面 0点
• 良くわからない 0点
(正方形や長方形など、より単純な形のほうが、複雑な形の建物より耐震性が保ちやすくなります。)
9. 大きな吹き抜けがありますか?
• 一辺が4m以上の吹き抜けは無い 1点
• 一辺が4m以上の吹き抜けがある 0点
• 良くわからない 0点
(外見は形が整っている建物でも、しっかりした構造計算されていない吹き抜けは、地震時に建物をゆがめることがあります。)
10. 一階と二階の壁面が一致しますか?
• 二階の外壁の真下に一階の外壁がある平屋建てである 1点
• 二階の外壁の真下に一階の外壁が無いまた一階の内壁が無い 0点
• 良くわからない 0点
(地震や浸水、火事など、過去に災害に見舞われている住宅は、見えない部分にそのダメージを蓄えている可能性があります。外見ではわかりませんので専門家の見てもらったほうが良いですね)
11. 壁の配置はバランスが取れていますか?
• 一階の東西南北どの面にも壁がありバランスが良く 壁がある 1点
• 一階の東西南北各面のうち、まったく壁の無い面がある 壁のバランスが悪い 0点
• 良くわからない 0点
(壁は、全体にバランスよく配置されていることが大切です。配置に偏りがあると、地震などで加わる力が弱い箇所(壁の少ない箇所)に集中してしまいます。)
12. 壁に筋交いが確認できますか?
• 筋交いあり 金具でしっかり止まっている 1点
• 筋交いあり 釘などで止まっている 0点
• 筋交いなし・良くわからない 0点
(専門的なことになりますが 筋交いとは、壁の中(柱と柱の間)を渡す斜め材で、地震などの揺れに耐える役割を果たします。簡単に外れないよう、専用の金具でしっかりと止まっていることが大切です。)
耐震 診断結果
12点 比較的安心です。心配な方は万全を期して専門家にも見てもらいましょう。
8~11点 早めに専門家に診断してもらいましょう。
7点以下 早急に専門家に見てもらうことをおすすめします。
2016年9月 トミタカ通信より
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